未来志向で向き合う
ペッツォルト監督が過去との向き合う姿勢は未来志向そのものだ。「筆舌に尽くしがたい経験をした人は人生をどうやって立て直していくのか。これについては何度か考えたことがあります。例えば難破船の乗客が命からがら無人島にたどり着いたとします。乗客たちに残された選択肢は2つあるでしょう。一つは、憂鬱な気持ちに支配されたまま『過去に戻りたい』とただひたすらに願うだけ。もう一つは、島にあるものや流れ着いた船の残骸などを利用して船を作ってみる。他の乗客と新しいグループ、ひいては社会すらも作り、島からの脱出を考える。私が選ぶのは後者の方です」。さまざまな形で戦争という過去にけじめをつけようとする本作の登場人物たちの生きざまは、戦後70年を迎えた日本人にとっても示唆に富む。8月15日から東京・Bunkamuraル・シネマなどで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)