中京大中京を倒した関東第一の鈴木大智(だいち)捕手(3年)は、上野翔太郎投手(3年)との対決を楽しみにしていた。
七回裏、2死一、三塁。打席で構える鈴木。視線の先には中学時代に愛知西リトルシニアでバッテリーを組んだ上野がいた。粘った12球目、上野のストレートは球速140キロ。フルスイングしたが、空振り三振に倒れた。
かつての女房役は試合後、「自分が捕っていた球よりはるかに速い。悔しいけど、今までの三振で一番気持ちよかった」。上野も「目は合ったが、意識しないように全力でいった」と振り返った。
鈴木は中学卒業後、地元を離れて関東第一に入学。上野は中京大中京に進学した。互いに「甲子園で会おう」と約束、3年後に実現した。
2人から優勝を誓う電話があったという愛知西の半田安利監督(58)は「勝敗は関係ない。素晴らしかった」と、聖地で躍動する教え子に大きな拍手を送っていた。(SANKEI EXPRESS)