物資補給機「こうのとり」5号機を搭載して打ち上げられたH2Bロケット5号機=2015年8月19日午後8時50分、鹿児島県熊毛郡南種子町の種子島宇宙センター(沢野貴信撮影)【拡大】
ステーションへ物資を運ぶ補給機を持つのは日本と米国、ロシアの3カ国だが、昨年から米国とロシアは計3回失敗。特に米国は、民間2社に委ねた補給がいずれも打ち上げを中断している。
7月29日、鹿児島県の種子島空港にNASAの小型ジェット機が到着。6月の打ち上げ失敗で失われた荷物の代替品を急遽(きゅうきょ)輸送してきた。
こうのとりに載せる荷物は通常、打ち上げ4カ月前に積み込みを終える。宇宙空間で姿勢を乱さず飛行するためには、荷物をバランス良く積み込むことが重要で、時間をかけて配置を決める必要があるためだ。
打ち上げ予定からほぼ2週間前に到着したNASAの荷物は計210キロ。JAXAは荷物を配置した際に重心がどうなるかの計算を繰り返した。重心がずれ、打ち上げの振動で荷造りがほどけると、飛行士にけがを負わせる不測の事態につながりかねない。