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【逍遥の児】風船爆弾を目撃した男 (2/2ページ)

2015.8.25 09:30

 ――何をしているのだろう。長谷川さんはいぶかった。だが、軍の機密に触れるわけにはいかない。やがて海岸地帯に放球台や兵舎が建設された。基地が完成したころ、列車の窓はよろい戸で閉ざされた。海側を見ることは固く禁じられたという。

 「わたしは基地に近寄ったことはありません。憲兵に捕まりますよ」

 風船爆弾を開発したのは陸軍登戸研究所(川崎市)。謀略・秘密兵器専門の機関だ。風船爆弾は「ふ号兵器」と秘匿名称で呼ばれた。気球は和紙とコンニャク糊で作った。多くの人員が必要で全国の女学生らが動員された。太平洋に面した3カ所の基地から約9300発を放球した。米軍は驚いた。戦闘機が撃墜した。それでも一部の風船爆弾は米本土に落下。山火事が多発。オレゴン州では子供ら6人が死亡した。

 夏の太陽が照りつける。海岸地帯で基地の痕跡を探した。だが、放球台は地上から消え去っていた。(塩塚保/SANKEI EXPRESS

 ■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。

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