株価を示すボードの前で頭を抱える男性。上海株が下げ止まらない=2015年8月25日、中国・山東省青島市(AP)【拡大】
遼寧省の1~3月期のGDP成長率は1.9%-。今春、遼寧省が発表した経済統計に衝撃が走った。日系企業が多く進出する大連市も抱える工業地域だが、2桁成長も普通だった中国にとって異例の低成長だった。
その後、遼寧省の成長率はやや持ち直したものの、1~6月期も2.6%と依然として水準は低い。山西省(2.7%)、黒竜江省(5.1%)なども振るわない。重工業や鉱業の生産過剰に加え、不動産不況も重くのしかかり、地方から経済失速の影が忍び寄る。
習近平指導部は今年の成長目標である7.0%の達成に向けて、政府主導の投資を加速する構えだが、政府系のある研究者は「地方政府は財源がなく、投資に及び腰だ」と指摘する。政府が整備を進めた中国版新幹線の駅前には、開発が進まず空き地が広がったままのところも多い。