≪後任は室町会長兼任 田中氏、不正指示を否定≫
東芝の田中久雄社長(64)は21日記者会見し、利益水増し問題で経営トップの関与を指摘した第三者委員会(委員長・上田広一元東京高検検事長)の報告書を踏まえて21日付で辞任し、室町正志会長(65)が暫定的に22日から社長を兼任すると発表した。問題を実質的に主導したとされる前社長の佐々木則夫副会長(66)と、前々社長の西田厚聡(あつとし)相談役(71)も21日付で辞任。東芝を揺るがす会計問題は歴代社長がそろって引責辞任する異例の事態に発展した。
佐々木氏は、21日付で経団連副会長も辞任。産業競争力会議の民間議員や政府税制調査会の特別委員などすべての公職を辞任する意向を甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相(65)に伝えた。
田中氏は会見で「株主をはじめ、全ての皆さまに心よりおわびする」と謝罪した。ただ、自身が利益水増しを指示したかについては「ございません」と否定。会計問題の背景に西田氏と佐々木氏の対立による「社内抗争」があったとの見方や、田中氏が予算達成などのプレッシャーを受けたとの指摘についても「そういう認識はない」と述べた。