8月25日、台北市内で開かれたシンポジウムで、講演する台湾の馬英九総統=2015年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
こうした言いぶりは、時に陸域だけでなく九段線内の全ての海域まで何らかの管轄権を主張しているかのように映る中国と対比させ、台湾の主張が国連海洋法条約に依拠していることを際立たせる狙いがある。いわば国際社会の「優等生」であることをアピールするものだ。
馬総統は、南シナ海問題を語る際に必ず触れる2012年の「東シナ海平和イニシアチブ」にも言及し、この提言が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での漁業問題を解決した日本との取り決めにつながったのだと、自身の成果として誇ることも忘れなかった。
努力の成果は…
台湾当局は一連の提言の宣伝に力を入れている。馬総統は6月、講演とほぼ同じ内容を、米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿。在外公館などにも、地元メディアへの働きかけを指示した節がある。特に、米国は昨春以降、国際法の観点から中国の主張を弱めることを狙い、台湾に九段線の意味の明確化や九段線自体の“放棄”を間接的に求めた経緯があり、馬総統の一連の言動は、米国への「回答」とも受け取れる。