楢葉町では避難指示の解除前日の9月4日、復興へのスタートを決意し、ロウソクを灯した=2015年、福島県双葉郡楢葉町(大西正純撮影)【拡大】
楢葉町の人口は約7400人で、福島県を含む30都道府県に避難しており、8割弱が福島県いわき市に身を寄せている。町役場もいわき市に機能を移していた。避難指示解除準備区域は日中の滞在が認められていたが、政府は今年4月から解除に向け、長期間、夜間も滞在できる「準備宿泊」を実施していた。準備宿泊の登録者は8月31日現在で780人と、人口の約1割にとどまっていた。
政府は6月、お盆前の解除を町側に提示したが、住民の間から「時期尚早だ」と反発の声が多く上がり断念。政府の原子力災害現地対策本部の本部長、高木陽介経済産業副大臣が7月、町を訪れ、住民からの意見を踏まえ、医療、買い物、飲料水の3分野で追加対策を進めるとした上で、松本幸英町長に5日の解除を伝えた。
楢葉町の解除で、福島県内で避難指示が出ている自治体は9市町村になる。このうち南相馬市、川俣町山木屋地区、葛尾村では8月31日から解除に向けた準備宿泊が始まっている。
≪「真の復興」険しく 安心できる環境づくり課題≫
福島県楢葉町に出ていた避難指示が5日、解除された。政府は「復興を進める第一歩」(高木陽介・原子力災害現地対策本部長)としており、他の自治体の解除にもつなげたいが、住民帰還に向け、コミュニティー再生や生活環境の整備など「真の復興」への道は厳しい。