楢葉町では避難指示の解除前日の9月4日、復興へのスタートを決意し、ロウソクを灯した=2015年、福島県双葉郡楢葉町(大西正純撮影)【拡大】
しゃかりき
「町ごと避難の楢葉が解除された意義は大きい。他の自治体の帰還にも弾みがつく」。復興施策に携わってきた自民党幹部は胸をなで下ろした。
人口約7400人の楢葉町は第1原発の20キロ圏にあり、ほぼ全域が避難指示解除準備区域。避難区域の南端で、沿岸部の拠点都市・いわき市とも近く「楢葉の解除なくして他の自治体の解除はない。国はしゃかりきだった」(地元関係者)。
町では除染がいったん終了し、電気や水道の生活インフラもほぼ復旧。4月には住民が長期滞在できる準備宿泊が始まったが、放射線への不安など、解除への住民の懸念は強いままだった。
地元が解除に二の足を踏む要因の一つには、解除1年後に東電による精神的賠償を打ち切るという従来方針があった。生活再建への心配から、賠償継続を求める声が上がっていた。
事故から4年半近くたつ今も、楢葉町を除く9市町村で7万人以上に避難指示が出ている。「避難指示は、国が『故郷から離れなさい』ということ。指示を出す側にも(心情的に)負担があるので、早く解除したいのが本音だ」(自民党筋)との声も漏れる。