それは2年前のことだ。ロサンゼルスで行われた友人の結婚式の2次会に、モヒカン刈りの女性が、エレキギターを引っ提げて会場に登場した。スペシャルゲストと紹介された彼女は、アルバムを発表したばかりの新人。豪州からやってきたという。夕暮れ時のブルーモーメントと呼ばれる薄明るい空の下、着飾った音楽関係者が集うパーティーで、彼女は静かに歌い始めた。それが、ハイエイタス・カイヨーテのボーカル、ネイ・パームとの出会いだった。
その後、トライブ・コールド・クエストのQ-Tipが客演した曲をリリースし、2013年のグラミー賞ベストR&Bパフォーマンス部門にノミネートされたりと、彼女のバンドは、瞬く間にスター街道を驀進(ばくしん)した。そして、今年、待望の2枚目のアルバム『チューズ・ユア・ウェポン』がリリースされた。
大衆性も兼ね備え
新しい時代のソウルミュージックと紹介されることの多いハイエイタス・カイヨーテだが、そのカテゴライズは、このバンドの音楽性を正確に言い表してはいない。バンドのサウンドは、ファンク、ジャズ、フォーク、ヒップ・ホップ、ドラムン・ベース、テクノ、エロクトロニカと、さまざまな要素を織り交ぜた折衷音楽だ。ポップスやロックのリスナーにもアピールできる大衆性も兼ね備えている。特定のジャンルでくくれないクロスオーバーな感覚こそが、彼らの個性なのだ。