国会前で行われた安保法案反対のデモ=2015年9月17日午後、東京都千代田区(長尾みなみ撮影)【拡大】
一部の女性議員も派手な行動に出た。民主党の牧山弘恵氏は他の議員に飛び乗り、社民党の福島瑞穂副党首も鴻池氏を囲む輪に何度も割り込もうとした。
こうした光景はNHKの生中継で全国に報じられた。次世代の党の和田政宗幹事長は採決後、記者団に「飛びかかって暴力を振るうのは議会の自殺行為だ」と嘆いたが、後の祭りだ。
採決前日の16日夜、特別委理事会は締めくくり総括質疑を開会するかをめぐり、休憩と再開を繰り返し、ギリギリの攻防を続けた。理事会の部屋の前には身動きが取れないほど押しかけた与野党議員が怒鳴り合いを演じた。
だが、その同じ空間で、仲良く笑顔を作って“記念撮影”に興じる民主党と共産党の女性議員たちの姿が見られた。安保関連法案に対して「徴兵制につながる」「子供を守ろう」と訴え、女性の立場から真剣に反対しているはずの彼女たちだが、そのはしゃぎぶりからは何が何でも成立を阻止する悲壮感や緊張感は一切感じられなかった。
民主党が安保関連法案に反対する政策的な理由も判然としない。