環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合後、記者会見する甘利明(あまり・あきら)TPP相=2015年10月3日、米ジョージア州アトランタ(共同)【拡大】
「オーストラリア、米国ともに国内の製薬業界に依頼されたロビイストが交渉を監視しており、歩み寄りは難しい」(日本の交渉関係者)との見方もあり、交渉の行方は予断を許さない。
徹夜の交渉が続き、閣僚や交渉官らの疲れはピークに達している。乳製品の市場開放を各国に迫ってきたニュージーランドのグローサー貿易相も「2時間しか寝ていない」と表情はさえない。
対立の裏で手を握る?
乳製品問題は決着に向け前進しているが、日本政府はニュージーランドの動きを警戒している。ニュージーランドは市場開放に及び腰の米国を強く非難してきたが、全体会合では米国の肩を持つ場面が多くなったという。
「対立しているように見せて、裏で手を握っているのではないか」。日本の交渉担当者は、土壇場で両国が連携し乳製品で一段の譲歩を日本に迫ることを懸念する。全体会合が非常に短く、水面下での2国間協議が中心という今回の展開も、交渉の全体像を見えづらくしている。
「交渉は最終段階にある。ゲームはやめて誠実な対応で交渉を行うべきだ」。約15分で終わった3日夜の全体会合で、甘利氏はこう呼び掛けた。
ただ、日本も米国との農産物交渉などで全てを詰め切っているわけではない。新薬問題が決着すれば、日本も決断を迫られるのは必至で、最後まで調整役にとどまることはできそうにない。(共同/SANKEI EXPRESS)