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【河瀬直美のNARAtiveワールド】18年ぶりのトロントで再確認できたこと (1/3ページ)

2015.10.9 13:30

18年ぶりにトロント国際映画祭に参加し、舞台挨拶に臨んだ河瀬直美監督=2015年、カナダ・オンタリオ州トロント(組画提供)

18年ぶりにトロント国際映画祭に参加し、舞台挨拶に臨んだ河瀬直美監督=2015年、カナダ・オンタリオ州トロント(組画提供)【拡大】

  • 映画「あん」(河瀬直美監督)。公開中(組画提供)。(C)2015映画「あん」製作委員会/COMME_DES_CINEMAS/TWENTY_TWENTY_VISION/ZDF-ARTE
  • 河瀬直美監督=4月18日(組画提供)

 18年ぶりにカナダのトロント国際映画祭に参加した。最初の参加は「萌の朱雀」の公開の年であるから1997年にさかのぼる。作品自体はいつも招待を受けているのだが、この時期は「なら国際映画祭」ともバッティングしてなかなか行くことができなかった。

 新設会場でも変わらぬ思い

 今年40回目の節目を迎えたこの映画祭は、数年前に映画祭の本部を含む上映会場を新設した。あまりの変わりように18年前の面影が全くなく戸惑っていたが、この映画祭が観客のみなさんの「映画を愛する想い」で成り立っているのは変わらない。

 私の監督作「あん」(2015年)は500席ほどのホールで上映されていたのだが、映画の前半は会場からの笑いが絶えず、一緒に見ていた私まで声を出して笑い転げていた。映画の中盤、主人公の徳江さんを演じる樹木希林さん(72)が、働いていたどら焼き屋を去ることになる場面ではすすり泣く声が…。映画が終わる頃には、会場から惜しみない拍手がわき起こり、エンドクレジットの音楽が聞こえなくなるほどだった。

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