ところで、「慰安婦像」建立計画を進める済州島内の大学生に学んだか否かを問う。遺族証言が正しければ、一部島民が「裁判なしの即決」で、石に縛られ生きながら海に「廃棄」され→被害者の可能性が濃厚な朝鮮民族多数が長崎県・対馬に漂着→地元民が引き上げ→寺院に丁重に葬った…経緯を。膨大な数の在日韓国・朝鮮人の中で、済州島出身者が圧倒的な割合を占めるのは事件後、難民となり日本に逃れ、そのまま居座った非合法・合法の人々数千人(数万人説アリ)が原因である現実を。
済州島内の大学生がやるべき研究・運動は「慰安婦像」設置ではない。島内のいたる所にいまだ埋まる遺体だけでなく、事件も発掘し、真実を闇から引きずり出すことだ。
やるべきことを怠る一方で「慰安婦」の「虚像」を建てる意図は奈辺に在るのか。済州島をウソと闇で塗り固めた不気味な観光地にしたいのか。あるいは「慰安婦」も済州島事件も、一緒くたに日本の仕業にでっち上げるつもりなのか。でなければ、なぜ「慰安婦像の台座に済州島事件を象徴するツバキの花を彫り込む」のか。
火病は「恨」に根ざすという研究も目にしたが、「逆恨み」は哀れだ。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)