「せりふの覚え方の秘訣(ひけつ)は、せりふを学ぼうとするのではなく、キャラクターがどんな出来事を経験しようとしているのかを明確に理解すること」と明かしたジュリエット・ビノシュ=2015年9月5日、イタリア・ヴェネト州ベネチア(ロイター)【拡大】
どちらかといえばジョアンの立場に近い若者たちに対しては、「若い時は、自分のあらゆる感情、欲求、幻想に浸りながら生きています。でも、どこかの段階で、自分の新たな面を意識するために、それらすべて、特にあらゆる恐怖心を変化させなければなりません。つまり、自分を(エンダースのように)解放するすべを、根気よく見つける必要があるのです」と指摘したうえで、年齢の重ね方について深い考察を求めた。違う視点から自分の感情を俯瞰(ふかん)できるようになると、あまり痛みを感じることなく、自分が抱いた感情に向き合えるようになると、そのメリットも強調した。
ますます強まる探求心
古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人、ソフォクレスの悲劇「アンティゴネ」に出演中のビノシュ。1年に及ぶ世界ツアーの真っただ中にあり、より深く人間というものを探究する作品と向き合っている。キャリアを積み重ね、そして自らを解放し、大女優のさらなる高みへの探求心は、ますます強まるばかりだ。10月24日から東京・新宿シネマカリテほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)