【大人の時間】
四国の山深く、天空に浮かぶ里がある-。高松空港から車で約2時間。つづら折りの山道を登っていくと、ふいに、絶景が目の前に現れる。エメラルド色の清流、急峻(きゅうしゅん)な山肌にぽつりとたたずむ茅葺(かやぶ)きの家…。都会では決して見ることのできない光景だ。
古民家丸ごと貸し切り
日本三大秘境の一つとされる祖谷(いや)は、四国のほぼ中央、徳島県西部の山間にある。外界から隔絶されたような立地をみれば、平家の落人がこの地に逃れてきたという伝説もうなずける。毎年約30万人が訪れるスリル満点の「祖谷のかずら橋」にも、「源氏が攻め寄せた場合に橋を切り落として、侵入をふせぐためにかけられた」という説があるのだとか。
そんな秘境を心ゆくまで堪能できるのが、「桃源郷祖谷の山里」の茅葺き民家ステイだ。東洋文化研究家のアレックス・カーさんがプロデュースしたプロジェクトで、リフォームされた8棟の古民家を、それぞれ丸ごと貸し切れる。茅葺きの屋根にいろりなど伝統的な美しさを大事にしながらも、床暖房完備でトイレは温水洗浄機能付きと現代生活の機能性をプラス。快適にステイを楽しめる。