傾斜地で育つ食材
山里の暮らしを体験したあとのお土産には、ぜひ地元の食材を買って帰りたい。祖谷では、傾斜地という地形を生かした独特の食材が多い。代表的なのは「そば」。米作りができない代わりに、昼と夜の寒暖差が大きい祖谷は、そば栽培の適地。実がぎゅっとしまったそばは、香りが強く、味も濃いのが特徴だ。
番茶も祖谷の自慢の一つ。朝霧が立ちこめ、日照時間が少ないため、茶の栽培には理想的な環境なのだ。自給自足で作られており、地域外にはほとんど出回らない「幻のお茶」だという。
「みまから唐辛子」は「メロン並みの糖度と、ハバネロ並みの辛さ」を持つユニークな唐辛子。石臼で丁寧にひかれた一味唐辛子は、香りが鮮烈で料理の味を引き立ててくれる。
日本の原風景が守られている「天空の里」。ときには、時間を忘れてみてはいかが。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)