【大人の時間】
ねじや扉のノブなどに使われる金具。私たちが住む家を見渡せば、驚くほどたくさんの金物に囲まれていることに気付く。戦後から高度経済成長時の大阪で作られた建築金物は、当時の空気をまとう独特の風合いがある。そんなアンティーク金物をはじめ、工具やビス、ねじなどを多く取りそろえているのが「つむぎ商會」だ。印刷工場の建物をそのまま利用したショップと工房は、一歩足を踏み入れれば、宝探しの気分をも味わえる…。
JR大和路線の「東部市場前」駅からほど近くにある「つむぎ商會」。もとは印刷工場だったという工房兼ショップは、ひっそりしたたたずまいを見せるが、雰囲気のある木の箱にずらりと並ぶ金物には誰もが一瞬、目を奪われるはずだ。
「当時、日本で作られたドアノブやフックは、西洋文化へのあこがれを体現するように、西洋的装飾が施された面白いものがたくさんあるんです」と店主の佐藤正勝さん。