そんな時代感をまとう金物は、1級建築士や設計士といった建築の専門家が求めてやってくることがほとんど、というのもうなずける。
今にない味わい深さ
もともと木工職人だった佐藤さんが金物に引かれたのは、イタリア旅行で出合ったのみの市。「興味がない人にはただのがらくたですが、古い金物は今の時代にはない味わい深さがあります。将来、自分が作る家具などに使いたい、と思って買い集めたのがきっかけでした」と振り返る。
もちろん、金物だけではなく、今はプラスチックに取って代わった貝ボタンやアンティーク家具、蓄音機、サイダーや清涼飲料水などのガラスボトル、何だかよく分からないマスコット人形などもあり、手にとって眺めるだけでもワクワクする。
「並んでいる多くの金物は生野や東大阪などで製作されました。昭和の町工場が盛んだった大阪の歴史が見てとれます」と佐藤さん。レトロ感あふれるパッケージデザインは、現在の目で見るとキッチュで斬新な印象を受ける。