11月18日夜、同時多発テロで89人の犠牲者が出たパリのバタクラン劇場前では、多くのキャンドルがともされ、花を手向ける人が絶えなかった=2015年、フランス・首都パリ郊外ドランシー(ロイター)【拡大】
「君たちの負けだ」
バタクラン劇場でメーキャップアーティストの妻、エレーヌさん(35)を亡くしたパリ在住のラジオ・ジャーナリスト、アントワーヌ・レイリスさんがフェイスブック上で「テロリストへの手紙」という形で発信したメッセージも大きな反響を呼んでいる。
「君たちの願い通りに私は憎しみを抱いたりはしない」
二人称でこうテロリストたちに呼びかけたレイリスさんのメッセージは、事件発生3日後の16日に投稿された。
生後17カ月の息子メルビル君と共に残されたレイリスさんは「13日の夜、君たちは特別な人の命を奪った。私が生涯をかけて愛する人であり、私の息子の母親だ。もちろん私は痛みに打ちのめされており、その点については、君たちは少しは勝利をおさめたのかもしれない。しかし痛みは長くは続かない」と綴(つづ)った。その上で「望み通り憎しみを抱いたりはしない。憎悪に怒りで応じれば、今の君たち同様、無知の犠牲者になるだけだからだ。(だから)君たちの負けだ」と説いた。
そして、「私と息子は二人きりだが、世界中のすべての軍隊よりも強い」と言い切った。報復ではなく、慈悲による“勝利”を説くレイリスさんの投稿には多くの人が共感し、19日現在、20万人以上に共有されている。(SANKEI EXPRESS)