いまなお切迫感
幾度となく佐藤に張り付いた元日本代表DF中沢佑二選手(横浜M)は「一瞬前にどこにもいなかったのに、いつの間にか目の前にいて点を取られている」と思い返し「頭に足、体のどこに当ててもいいからゴールをという執念を感じる」と感服する。
だが、順風満帆だったわけではない。若いころは出番に恵まれず、04年シーズン終了後に広島へ移籍するまでJ1でわずか11得点。将来に不安を抱き、リーグによる引退後のキャリア支援事業の一環だった職業実習に参加し、東京・新宿のスポーツ用品店の売り場に立ったことも。「今まで取ってきた点は過去のもの。上積みしないと(選手生活が)終わる」という切迫感をいまなお持つ。
埼玉県出身だが、選手育成に定評のあった市原(現千葉)の下部組織に入った。父は営んでいたラーメン店を畳み、家族そろって千葉に引っ越した。仙台、広島ではJ2降格の辛酸もなめた。それだけに親やサポーターら周囲への感謝を忘れない。「記録はあくまでチームの勝利にプラスアルファのもの」という姿勢を貫いてきた。