イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がメンバーに利用を推奨している携帯用メッセージアプリ、テレグラムのロゴマークと、イスラム国のロゴが記されたスマートフォンの陰影。暗号化を制約すればテロリストをあぶり出すのも容易になるとは限らない=2015年11月19日、ボスニア・ヘルツェゴビナ・ゼニツァ(ロイター)【拡大】
プライバシー強調
通信の暗号化は、米国家安全保障局(NSA)のエドワード・スノーデン容疑者(32)が米当局による市民の通話履歴など大規模な情報収集を暴露したことをきっかけに急増した。アップルなどIT企業も、プライバシーを守るための強力な暗号化を宣伝してきた。
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」も通信内容が漏れることを恐れ、暗号化アプリの利用をメンバーに推奨している。このため、当局による捜査は、困難が増すことになった。裁判所の命令があれば当局は当該情報にアクセスできるが、例えば、アップルとグーグルが昨年導入した暗号化技術を利用するスマホでは情報の内容を解読できないためだ。
ニューヨーク・マンハッタン地検のサイラス・バンス首席検事(61)は18日、ニューヨークで開催されたサイバーセキュリティー会議で「国民を守るための線引きをスマホを製造する2社が行うべきではない」と指摘。令状を取った捜査当局者にはデータそのものをダウンロードして開示することを企業に義務付けるよう提案した。また、議会でも共和党重鎮のジョン・マケイン上院軍事委員長(79)が暗号化を制約する立法措置を目指す考えを示している。