イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がメンバーに利用を推奨している携帯用メッセージアプリ、テレグラムのロゴマークと、イスラム国のロゴが記されたスマートフォンの陰影。暗号化を制約すればテロリストをあぶり出すのも容易になるとは限らない=2015年11月19日、ボスニア・ヘルツェゴビナ・ゼニツァ(ロイター)【拡大】
2大手は回答留保
こうした動きに呼応し、米暗号化通信企業のサイレントサークルは、携帯端末用アプリへのアクセスを制限するなど、犯罪者による利用を以前より困難にする方針を示した。また、暗号化されたチャットと自然に消えるメッセージを備えた、ロシアで考案された携帯用メッセージアプリを手掛けるテレグラムは、イスラム国の広報に利用されたとみられる関連アカウント数十件を閉鎖したと発表した。
ただ、反暗号化の動きが捜査の進展に直結するとは限らない。パリ同時多発テロで89人が犠牲になったバタクラン劇場の近くのゴミ箱に捨てられていた実行犯の携帯端末には、主犯格の氏名と潜伏先を特定するような貴重な情報が詰まっていたが、それらはいずれも暗号化されていないショートメールのメッセージだった。つまり、暗号化以前の問題が当局の捜査にあったことを示唆している。
アップルとグーグルは治安当局の要請への回答を留保している。捜査と世論の行方を見極めながら協力の是非を判断するとみられる。(SANKEI EXPRESS)