《老人ホームで暮らすヨヘスケル(ゼーブ・リバシュ)の趣味といえば、入所者たちの生活を少しだけ楽にするユニークなものを発明すること。その一つが、延命治療を望まない友達からの依頼で作った安楽死装置だ。自らスイッチを押して苦しまずに最期を迎えることができる“力作”の評判が口コミで広がり、安楽死の希望者が殺到する中、妻、レバーナ(レバーナ・フィンケルシュタイン)に認知症の兆候があらわれ…》
なぜ2人は安楽死をテーマに選んだのか。直接のきっかけはマイモンの個人的な体験に基づく問題提起だった。「昔付き合っていたボーイフレンドの祖母が長年がんを患った末に自宅で亡くなりました。私も彼女の死をみとりました。がんの痛みや苦しみから解放されたその瞬間を見た私は、ほっとした気持ちになりました。すると、すぐに救命士がやってきて、なんと蘇生措置を始めたのです。私は不条理だと思いました。やっと苦しみから解放された彼女は平穏を取り戻したというのに…。本作の物語が頭に浮かんだのはこのときです」