大気汚染で夜のように暗くなった首都北京市街。パンダの銅像もかすみ、車はライトを点灯して走行した=2015年12月1日、中国(ロイター)【拡大】
基準値28倍で真っ暗
北京市環境保護局の幹部は、最悪レベルの大気汚染に見舞われている市内の一部で11月30日夜、微小粒子状物質「PM2.5」が1立方メートル当たり1000マイクログラムを超えたと明らかにした。中国メディアが1日伝えた。中国の基準値35マイクログラムの28倍以上で、石炭暖房が本格化した10月下旬以降最悪の値という。中国の気象予報サイトによると、北京中心部で1日も600マイクログラムを超えた。インターネット上には1日に「2000マイクログラムを超えた」との情報も出回っており、住民の不安と怒りが増している。
中心部の長安街では高層ビルが灰色のスモッグでかすみ、歩道を行く過半数がマスクやマフラーで顔を覆っていた。北京に10年住んでいるという河北省出身の会社員女性(34)は「耐え難い。改善には時間がかかると思う。北京脱出も真剣に考えなくては」とマスク姿で話した。
北京市は小中学校に対し「自宅での自習」を認めるよう指示したが、登校するか否かは「生徒側の判断」とした。視界悪化のため、高速道路が各地で閉鎖され、北京市の病院は体調不良を訴える子供やお年寄りであふれた。