中国・天津市で起きた大規模爆発で、国営新華社通信は17日、死者は114人、行方不明者は70人に達したと伝えた。行方不明者の大半が消防関係者とみられる。軍の化学戦専門部隊や武装警察部隊など、捜索活動は2000人態勢で17日も続いたが、小規模な発火が続いており活動は難航している。
李克強首相は16日午後、爆発現場を訪れて消防隊員らを激励したほか、病院で市民らを見舞った。発生から4日目になって初めての共産党最高指導部メンバーの現地入りに、市民からは不満が聞かれた。
中国人記者に不信感
「外国の記者の方ですか? 私の家を見てほしい」
天津市の大規模爆発の発生から5日目の17日午前10時ごろ。対策本部が設けられている天津市内のホテルのロビーで、担当幹部を待っていたところ、被災者とみられる30代の男性から声をかけられた。
右腕には包帯が巻かれ、目は真っ赤。「中国人の記者にいくら訴えても記事にしてくれない」と男性と切り出した。
当局に嫌われ、中国で肩身の狭い思いをすることが多い外国人記者だが、この国の弱者たちにとって、駆け込み寺的な存在になることもある。