【大人の時間】
観光客でにぎわう四条通と寺町通りの交差点から南に徒歩1分。今年9月にリニューアルオープンした「岡本鏡店」は明治30(1897)年創業の老舗で、全国でも極めて珍しいインテリア用の鏡の専門店として人気を集めている。広々とした店内には個人客から飲食店、ホテルといった法人需要にまで幅広く対応する高級感に満ちた美しい鏡がずらり。最近はネット通販にも力を入れており“京都にある鏡の専門店”として全国的に知名度を高めている。
インテリア用に特化
約200平方メートルの店内では、大きさもデザインもさまざまな鏡約500点がきらびやかな光を放っている。その輝きは宝飾店のきらびやかさとは異なり、異空間を思わせる幻想的かつ神秘的な雰囲気を漂わせる。
5代目の店主、岡本勇郎(いさお)氏(48)によると、もともと初代は仏具を扱っていたが、明治に入ってからの廃仏毀釈(神仏分離令で起きた仏教排斥運動)と、日本でも今後、洋風の家が増えるとの考えからガラスの卸に転業。