キリスト教カトリックの総本山バチカン市国で8日夜、信者らの過ちに赦(ゆる)しを与える「特別聖年」に合わせて、サンピエトロ大聖堂の正面に環境保護のメッセージを込めた色鮮やかな動物や魚の映像が投影された。ライオン、パンダ、オオカミ、アザラシなどの全身あるいは顔のアップが次々と映し出され、光と映像が織りなす幻想的な光景に集まった市民や観光客から歓声が上がった。
このイベントは、ほぼ25年に1度行われるカトリックの行事「特別聖年」と、フランス・パリで開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)と連携させる形で、企画された。世界的に有名な環境写真家や映画プロデューサーらが参加し、環境保護を訴えた。
8日朝、ローマ法王フランシスコがサンピエトロ広場でミサをささげた後、大聖堂で「聖年の扉」を開き、特別聖年がスタートした。
特別聖年は西暦1300年に始まったカトリックの行事で、基本的には25年ごとに行われるが、特別に制定されることもある。ちなみに前回は2000年、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の下で行われた。また、この年にローマに巡礼すると特別な赦しを与えられるという。