南米初の五輪が行われるブラジル・リオデジャネイロは、陰と陽、美しさと危うさ、そして、大自然が織りなす風景と都市の喧噪(けんそう)という相反するものがすぐ隣り合わせにあり、独特の街の輪郭をなしている。
それはこの街の魅力であり、ユネスコの世界遺産都市に選ばれた理由でもある。対極にある2つの世界に触れることができるからこそ、訪れる人はリオの虜(とりこ)になる。
観光名所であるコパカバーナやイパネマのビーチには、早朝から常夏の陽気にあふれ、一方で、夕暮れ時になると、水着姿の人たちが次第に途絶え、ブラジル人の心情を言い表す「サウタージ」(ポルトガル語で郷愁)の寂しさが漂う。
リオ生まれの詩人であるセシリア・メイレーリスはサウタージについて「孤独と悲しみの感情を持っているが、記憶の光に照らされて幸福の輪郭と表情を得る」と表現した。