ブラジル・リオデジャネイロで8月、五輪が開催される。南米初の五輪に向け、施設整備などはほぼ順調だとされるが、国を挙げての祝祭ムードにはほど遠い。ジルマ・ルセフ大統領(68)は弾劾の危機に立ち、経済は過去20年で最悪。治安も悪化傾向で、テロの恐怖も影を落とす。いくつもの不安を抱えながら、ブラジルは五輪イヤーの幕を開けた。
「良くなると思ったが…」
「五輪開催が決まって経済が良くなると思っていたのに正反対だ」。リオ在住の広告代理店勤務タチアナ・ミシェランさん(34)は嘆いた。
主会場である五輪公園は95%の工事が終了。大会組織委員会のヌズマン会長は先月「競技施設の建設に問題はない」と自信を示したが、2015年7~9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.5%減で、現在の統計システムが始まった1996年以降、最悪の落ち込みに。中銀は通年で約3.6%減、ことしも約1.9%減と見込む。庶民は物価高騰に苦しんでいる。
リオの名所コパカバーナ海岸では2009年10月、約10万人が五輪招致を祝った。しかし、先月13日に海岸に集まったのは「ジルマ(ルセフ氏)は去れ」と叫ぶデモ隊だった。