1億総活躍国民会議に臨む(左から)加藤勝信1億総活躍担当相、安倍晋三(しんぞう)首相ら=2016年1月29日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】
「本年取りまとめる『ニッポン1億総活躍プラン』では、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えであります」
1月22日に行われた安倍晋三首相(61)の施政方針演説で、とりわけ政界関係者の注目を集めたのが「同一労働同一賃金」に触れたこの下りだった。正規・非正規労働者間の賃金や待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」の主張は、民主党をはじめとする野党の専売特許のはずだったが、お株を奪うような首相の演説に、野党内からは「参院選に向けた争点つぶしだ」との批判が相次いだ。
象徴は同一労働同一賃金
「同一労働同一賃金」を掲げるにあたり、労働行政を所管する厚生労働省にも事前に相談はなかったといい、霞が関の官僚の間でも首相の真意を測りかねる声が少なくない。厚労省幹部は「スローガンを掲げて、やる気を示すだけでは」と不安そうに語る。
こうした懐疑的な見方に対し、首相は施政方針演説後も「同一労働同一賃金」を含む「働き方改革」を積極的に進めていく姿勢を強調している。