トンネルの強度補修作業。内壁に長さ3メートルの巨大ボルトを打ち込む(JR東海提供)【拡大】
既存設備を最大限に生かせ
瀬田以外の地点でも「へぇー」と思わせる技術がふんだんに。鉄橋の補強では、間隔を空けずに枕木をびっしりと敷き詰める。隙間をなくすことで、列車の重量負担を分散させる。力がかかりやすい鉄橋の鋼材のつなぎ目には、補強部材を取り付ける。
新幹線のコンクリート構造物はあと15年程度で鉄筋の腐食が進むとみられるが、今回の補修で「ほぼ半永久」に、鉄橋も150年はもつという。
不具合が出た部分を直すのが通常の補修工事とすれば、今回は異常が出る前に「予防」しようという珍しい試みでもある。関雅樹・新幹線鉄道事業本部長は「不具合が起こる前に改修する方が、結果的にはコスト安」と話す。