「海を耕せ!」水産資源枯渇への挑戦 近大クロマグロ完全養殖技術 (2/4ページ)

2013.4.28 18:15

  • 「近大マグロ丼」などを味わえる養殖魚の専門料理店=26日午前、大阪市北区のグランフロント大阪・ナレッジキャピタル
  • 「近大マグロ丼」に舌鼓を打った赤井英和さん(前列右から2人目)、古川高晴さん(同3人目)ら=26日午前、大阪市北区のグランフロント大阪(沢野貴信撮影)


 今後はマグロ料理の拡充するとともに、近大で養殖するチョウザメやキャビアを使った料理の提供も考えているという。養殖を手がける近大の水産養殖種苗センター大島事業場の岡田貴彦場長は「味と安全性にこだわった養殖魚を通して天然魚崇拝の風潮を変え、魚食文化の広がりにつなげたい」と意気込んでいる。

 原点と苦難

 近大の水産研究の歴史は食糧難だった戦後にさかのぼる。初代総長の世耕弘一氏は、敗戦で国土が狭められた日本で食べ物を確保するためには農産物の増産では足りないと考え、「海を耕せ!」と号令をかけたのだ。海を水産資源を生産する畑と位置づけ、魚を養殖する技術の研究を本格化させるという構想だ。

 この初代総長の考えに基づき、昭和23年に和歌山県白浜町に設立されたのが水産研究所(当時=臨海研究所)だ。もちろん初めての試みだっただけに失敗の連続。大学の財政を圧迫する事態になり、研究からの撤退を提案する声も上がり、宮下盛所長は「当時の関係者が『不可能ともいえるプロジェクトだった』と述懐するほど困難を極めた」と打ち明ける。

それでも近大は研究をやめることはなかった

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