「海を耕せ!」水産資源枯渇への挑戦 近大クロマグロ完全養殖技術 (4/4ページ)

2013.4.28 18:15

  • 「近大マグロ丼」などを味わえる養殖魚の専門料理店=26日午前、大阪市北区のグランフロント大阪・ナレッジキャピタル
  • 「近大マグロ丼」に舌鼓を打った赤井英和さん(前列右から2人目)、古川高晴さん(同3人目)ら=26日午前、大阪市北区のグランフロント大阪(沢野貴信撮影)


 クロマグロは養殖魚も大量に出回っているが、通常は天然の稚魚を捕獲して育てる手法のため、稚魚の乱獲が進めば、結局は養殖魚も減少していくことが予想されている。

 その点、完全養殖は人工ふ化した稚魚を成魚に育て、その成魚から採卵、さらに人工ふ化させて次の世代を生み出していく技術。このため、完全養殖の技術を確立すれば、天然資源に頼らず、すべてのプロセスを人の手で管理することができる。

 大学関係者は「日本では魚は天然モノが重宝されるが、牛肉も食用のため飼料などを工夫して育てた肉牛が、野牛よりおいしいに決まっている」と強調。その上で「どこで生まれ、どこで育ったかを完全に把握できる完全養殖モノは食の安全性の観点でも世界にアピールできるセールスポイントだ」と自信をみせる。

 完全養殖はクロマグロに限らず、希少種の大量生産を可能にし、天然モノの乱獲による水産資源の枯渇を防ぐ技術だ。世界的な人口増加で将来的に予測される食糧難に備え、60年以上にわたって“海を耕す”研究を続けてきた真価がこれから問われそうだ。(松岡達郎、中村智隆)

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