宇宙船にみたてたウィラー・トラベルのアトラクション型バス「スターファイター」の車内(同社提供)【拡大】
さらに運転手の数や労働時間規制などによる負担増で、ツアーバス会社の多くは撤退するとみられている。国土交通省によると、昨年9月にツアーバスを手がけていた旅行会社とバス会社は計286社だが、今年5月末で新制度に移行するとしたのは111社にとどまった。
安全確保によるコスト増と大手路線バス会社との競争激化に対し、“残留”を決意したツアーバス会社は次の一手に必死だ。
ウィラーは新たな料金割引制度やサービス向上で利用拡大を図る考えだ。海部観光も「車両の差別化で乗車率を高めたい」とする。
これまで価格破壊を中心に路線バスを猛追してきたツアーバス会社だが、今後はサービス向上に足場を移す。バス業界全体の競争激化は必至。高速バスの“戦国時代”は新たな局面に入りそうだ。(中村智隆)