しかしALPHAとの模擬空戦対決では、リー氏はALPHAを一度も撃墜できず、逆に何度も撃墜された。リー氏は「私がいままでに見たAIのなかで、最も積極的な反応があり、力強く、かつ信頼できるAIだ」と高く評価した。
1980年代からAIを相手に模擬空戦を行ってきたリー氏は、最初にALPHAと対戦したとき、これまでのAIとの認識・反応速度の違いに驚いたと告白。「私の意図を認識し、飛行中の私の機体の姿勢の変化や、ミサイル発射態勢に入ろうとする動きに瞬時に対応した」と述べ、「必要に応じて攻撃から防御へと素早く機動を変えた」と説明した。
さらに「これまでのAIならともかく、いまや人間のパイロットはALPHAがもたらす素早い機動や、機先を制する威圧的な動きに並ぶことはできないだろう」と賞賛した。
1対1の対戦だけではない。シミュレーションのひとつでは、リー氏ともう一人のパイロットが2機で共同してALPHAと対戦した。このときALPHAは4機を同時に操り、勝ってみせたという。