この機構は山岳地帯など起伏の多い国情に合せたもので、車体の姿勢を任意に変化させられる。前下がりや後ろ下がり、あるいは車体を左右に傾けることができる。例えば山の稜線から、眼下の裾野にいる目標を撃破する場合などに極めて有効だ。車体後部を上げた姿勢で射撃すれば、車体のほとんどは稜線に隠れる。稜線の岩や土砂を“装甲の代わり”にできるのだ。
ちなみに筆者が総火演を取材するのは20数年ぶり。当時は戦車の発砲音がすさまじく、空気圧を受けて耳の鼓膜がグッと押されるような感覚を味わった。観覧席では発砲の一発目で泣き出す子供もいたほどだが、今回は発砲音が幾分小さくなったように感じた。
次回は、侵攻された離島に対し、応援の先遣部隊として乗り込む空中機動部隊などを紹介する。