横に回ると大きめのアルミホイールと寝かされたリアハッチのラインが、思いのほかスポーティ。フェンダーの造形が読み取れるストライプがアクセントとして効果的だ。
そして、フロントフェイスはまさに「顔」。丸い灯火類とグリルの組み合わせが漫画のキャラクターのようにかわいらしい。このかわいさはライバルのフィアット・500と双璧と言える。個人的には「レレレのおじさん」に似ていると思うのだが、読者の皆さんの目にはどのように映るだろうか。
そのほかの外観の注目ポイントとしては、後部ドアのノブが挙げられる。ドアサッシと一体化したノブはボディーと面一で、パッと見2ドア風のシルエットを形作っている。この手法はアルファロメオ・ジュリエッタや、先日販売予約を開始したばかりのコンパクトSUV、トヨタ・C-HRにも見られ、4ドアだけれども2ドアっぽく見せたいスペシャリティー要素の強いクルマで採用されるデザインだ。
このように、かわいい、スポーティー、クールと見る角度によって異なる表情を見せながらも破綻なくまとめられた外観デザインは、おそらくトゥインゴの最も強い購入動機となるはずだ。
前席概ね良し、後席は…あれ?
ドアを開けて乗り込むと、前述したように横方向の余裕を感じる。助手席にも十分快適と言える広さが確保されており、運転席側からもその余裕を視覚的に感じることができるから、前席に座る2人ともが物理的にも精神的にも狭さを感じにくい。おそらくこのありがたみは現在軽自動車に乗っているユーザーが最も強く感じるはずだ。
シートは柔らかめで程良く体が沈み込み、座り心地良し。普通に走る分にはサポート性もまずまずで、遠乗りでも体が痛くなるようなことはなさそうだ。
後席に移ると、膝元の余裕はそれほど多くない。シートはこのサイズの後席用としては肉厚十分だが、座ると膝が立ってしまって腿がサポートされずあまり落ち着かない。シートの出来を除けば軽自動車とさほど変わらない印象…と思ってスペックを見てみたら、なるほどホイールベース(前輪と後輪の車軸の間の長さ)は軽自動車並みの数値だった。もう少し膝元に余裕があれば足を前に投げ出せてグッと快適になるのだが、ここはあきらめるしかなさそうだ。