【試乗インプレ】世界が認めた名車の異母兄弟 アバルト・124スパイダー(前編) (3/5ページ)

  • 琵琶湖東岸の街、長浜の黒壁スクエアにて。渋い日本家屋と派手なイタ車のコントラストも乙なもの。アバルト・124スパイダー
  • ロードスターとの最大の違いは、このイタリア産エンジン。小排気量ながらターボ付きでホットな出力特性。アバルト・124スパイダー
  • 内装はロードスターとの差が少ないが、よく見ると…アバルト・124スパイダー
  • 黒壁スクエアの中心部にある洒落た洋館「黒壁ガラス館」前にて。アバルト・124スパイダー
  • アバルト・124スパイダー
  • アバルト・124スパイダー
  • 往年のラリー仕様車にならって、ソリッドな赤と日光の反射を抑え防眩効果のあるマットな黒のツートンに塗り分けられた「ヘリテージルック」。アバルト・124スパイダー
  • ベースになったマツダ・ロードスターは女性的なボディーラインだが、こちらは運動性能の高さをアピールするかのようにマッシブなデザイン。アバルト・124スパイダー
  • 真横からの眺めでもロードスターとはだいぶ印象が異なる。アバルト・124スパイダー
  • トランクリッドもつや消し黒で後ろ姿も精悍。アバルト・124スパイダー
  • 4本出しマフラーが迫力満点。3リッター6気筒くらい積んでいそうな風情。アバルト・124スパイダー
  • 前後輪ともに205/45R17とロードスターより一回り太いタイヤと大きなホイール。赤く塗られたブレーキキャリパーはブレンボ製。アバルト・124スパイダー
  • アバルト・124スパイダー
  • 琵琶湖周辺はあいにくの霧模様。湖越しの西岸の山並みを背景に…という目論見はあえなく頓挫。アバルト・124スパイダー


 追い越し加速に余裕あり 直進安定性高し

 翌日は朝から琵琶湖方面へ繰り出す。阪神高速から東名阪を経由して京滋バイパスを北上。巡航態勢に入ると、街中では硬めに感じられた足回りが安定感を発揮し、頼もしく思えてくる。ベースのロードスターから強化された分、直進安定性も高まっている。エンジンの出力も同様で、ターボが効く分、中間加速も一段上の印象。追い越しでも物足りなさを感じる場面はなかった。

 ただ、ロードスターも86もスズキ・アルト ワークスもそうだったけれど、この手のスポーツカーでの高速巡航はどうしても飽きが来る。シフトは6速(5速)に入れっぱなしだし、ハンドルは滅多に切れないし…でフラストレーションが溜まるのだ。これなら信号や横断歩道があっても一般道のほうが楽しいとさえ思えてしまう。

 何て日だ! 霧の摩周湖ならぬ霧の琵琶湖

 加えてこの日はあいにくの霧模様。時速50キロの速度制限が発令され、スピードは出せないわ、景色は見えないわといいところまったくなし。結局、一般道に降りるまで霧は晴れずじまいだった。事前の天気予報では琵琶湖周辺は終日快晴。時間とともに霧が晴れるのを祈りつつ、琵琶湖東側の湖畔道路へ向かう。

 湖畔に到着したのは11時も半ばを過ぎたころだったが、太陽は依然として霧を透かして照らすばかりで一向に霧が晴れる気配はない。結局、この日は14時ごろに引き上げるまで霧が晴れず、湖越しに対岸の山並みをバックに、と思っていた撮影は断念するしかなかった。

 帰り際に遅めの昼休憩で立ち寄った地元のカフェのマスターに聞いたところ、「お昼になっても霧が晴れないなんて生まれて初めて」とのこと。ま、ある意味貴重な体験だったと思うことにしよう。

 すっかり天気の話になってしまったが、ここで終わりでは124スパイダーのうまみは全然伝わらない。ということで、予定を延長して走ってまいりましたよ、ええ。もちろん山坂道をね!

おっとっと! カーブでパワースライド