気分はパイロット ガジェットっぽいのにおしゃれ
航空機のコクピットをモチーフにした内装デザインも外観以上にオリジナリティに溢れている。
ガラスルーフを左右に分断してまで、センターコンソールを天井に延長し、航空機のキャノピー(風防)感を演出。ハンドルは操縦桿風、スイッチ類のデザインも非常に凝っている。こういったディテールが醸し出すガジェット感はBMW・ミニと双璧と言っていい。ただ、ミニが明確に男の子趣味なのに対し、こちらは女性にも受けそうなおしゃれさを併せ持っている。
ドアハンドル、ノブの造形は現代アートのよう。シルバーの加飾には外観同様安っぽさは微塵もなく、効果的にプレミアム感を高めている。おしゃれさの白眉は何と言ってもセミアニリン仕上げのレザーシートだろう。時計の金属ブレスをモチーフにしたデザインが実に美しく、下ろしたてなのにやわらかく体になじみ、サイズもたっぷりしていてリラックスできる座り心地。フランス高級車らしい仕上がりだ。シートと同色のレザーはドア内張りにも奢られている。手足が直接触れるところには軟質樹脂がふんだんに使われ、総じてキャビンの質感は非常に高い。
また、形状としてはセンターコンソールが大胆に前傾していることが特徴。前回のインプレションでも触れたとおり、奥行きの深いダッシュボードと相まって前席の開放感・高級感に貢献している。ただし、トレードオフで左手のリーチが遠くなってしまい、空調やオーディオの操作の際には背もたれから背中を離す必要がある。
使い勝手には難あり
ここまで“惚れた弱み”もあって、かなりひいき目に評価してきたが、使い勝手にはいくつか難がある。
プレミアムサルーンに欠かせないクルーズコントロールは速度設定のみ。前車追従用のレーダーセンサーはなく、時代遅れ感が否めない。
リアハッチは電動開閉機能がなく、これもライバルと比べて見劣りしてしまう。
荷室の広さは標準的ながら、敷居も段差も高く積み下ろしがしやすいとは言い難い。荷室内の出っ張りが少なく、後席座面アップ+背もたれ倒しでほぼフルフラットになるのがせめてもの救い。