好奇の視線に晒され…いよいよ試乗
さて、まずはルーフを閉じたまま試乗する。走り出しは高級シルクを撫でるようにスムーズ。地下駐車場から地上につながる急な上り坂も、少しアクセルを踏むだけで軽々と駆け上がる。とてつもなく強大なトルクを有するが、それすらも感じさせないほど何かを主張することもなく平然と走る。
東京駅を出発点に神奈川県の箱根町を目指す。地上に出てから10秒も経たないうちに、助手席の小島記者が「みんなこっちを指さしてるよ」と爆笑。確かに欧米系の旅行者たちがこちらを“ガン見”している。高速道入口の代官町を目指して丸の内・大手町界隈のオフィス街をドライブするが、試乗中にこれだけ好奇の視線に晒されるのは初めての経験だ。ルーフを閉じた“変身前”の状態でも注目の的なのだから、「このファンキーな水色、どんだけ存在感あるんだよ!」という話である。
高速道路に合流してアクセルを踏み込むと、一瞬で時速100キロに到達する。その圧倒的な瞬発力にもかかわらず、車内の静粛性は相当高いレベルで保たれている。しかもハードトップではなく、6層に重ねたファブリック製のソフトトップで覆われているにもかかわらず…だ。できればレイスに乗って直接比較してみたいとすら思った。
重厚なボディは超がつくほど剛性が高く、「ドーンなら何があっても守ってくれる」と思わせるほど、キャビン内は常に安心感に包まれている。しかも、速度域を問わずに安定した静粛性を発揮。どこまで速度を上げても挙動が乱れるようなこともないので、「スピードを出して走っている」という感覚があまり伝わってこない。窓の先に広がる景色が加速によってブレることなど皆無。前回のゴースト同様、ドーンの車内はいつだって穏やかだ。ゴーストとの相違点を挙げるならば、ドーンの足回りはスポーティーに振っているため乗り味が硬めだということ。道路の継ぎ目で突き上げを感じる瞬間もあるが、不快になるようなレベルのものではない。