【経済インサイド】自動運転で先行する商用車の巨人・ダイムラー 次の一手は (1/3ページ)

  • 独ダイムラーは世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」のプレスデーで、車台が自動走行し人や物を運ぶ電気商用車のコンセプトカーを披露した=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)
  • 世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」には独フォルクスワーゲングループのトレイトンも出展。同社ブースには日野自動車の小型電気バス「ポンチョEV」が展示されていた=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)
  • 世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」は今後の商用車市場を占う前哨戦となった=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)
  • スウェーデンのボルボは世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」に近未来の物流を見据えた自動運転電気トラックのコンセプトカー「ベラ」を展示した=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)
  • 世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」のプレスデーで、自動運転機能を搭載した新型大型トラック「アクトロス」を紹介した独ダイムラー商用車部門総責任者のマーティン・ダウム取締役(中央)ら=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)
  • メルセデス・ベンツブランドのトラックを生産する独ダイムラーのヴェルト工場=ラインラント・プファルツ州(同社提供)
  • 独ダイムラーは世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」で、丸々2つのホールを占有し技術や商品力をアピールした=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)
  • 独ダイムラーは世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」のプレスデーで、自動運転機能搭載の新型大型トラック「アクトロス」を公開した=9月、ドイツ・ハノーバー(臼井慎太郎撮影)


 自動運転車の展開で気を吐く商用車業界の“巨人”がいる。トラック販売台数で世界首位の独ダイムラーだ。来春までに、部分的な自動運転機能を搭載した大型トラックの生産を世界に先駆けて始める計画だ。量産化の背景にある強みは何か。9月にドイツ・ハノーバーで開かれた世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」などを歩き、戦略を探った。

 ショーで存在感

 「世界のトップを走っていきたい」。ダイムラー商用車部門総責任者のマーティン・ダウム取締役は9月19日、ショーの開幕に先立つプレスデーで、電動化や運転の自動化が進む次世代の商用車市場で主導権を握る決意を強調。丸々2つのホールを占有し約70の展示車両をアピールした。

 主役は、米運輸省などの分類で「レベル2(部分的な自動運転)」の機能を搭載したメルセデス・ベンツブランドの新型大型トラック「アクトロス」。傘下の三菱ふそうトラック・バス(川崎市)も同じ機能の大型トラックを来年末までに日本に投入する計画だ。

 アクトロスは、車載のレーダーとカメラが前を走る車や障害物を検知し追従したり衝突を回避したりできるほか、走行中に自車が走る車線をはみ出そうとするとハンドルを自動的に切って車線内に戻してくれる。

 量産化で先手を打った背景には、欧米の公道で複数のトラックが隊列を組んで走る実験を重ねて磨いた自動運転技術がある。ダイムラーの乗用車部門で培った技術も生かしたという。

 9月17日には、自動運転車生産の一翼も担うヴェルト工場(ラインラント・プファルツ州)を訪れた。トラック生産能力はグループ最大の日産470台。約300台のロボットを導入したり生産工程からの膨大なデータを分析したりして、生産性と品質の向上を両立していた。工場敷地内の「開発テストセンター」には、5000万ユーロ(約65億円)を投じて20年末までに増強。自動運転などの技術開発を強化する狙いだ。

次に狙う「レベル4」