人民元5年ぶり安値 中国、資金流出リスク拡大
左から100米ドル、100ユーロ、中国人民元の100元、1万円の紙幣(共同)
【上海=河崎真澄】中国人民銀行(中央銀行)は25日午前、人民元の外国為替市場で取引の目安となる対米ドル基準値を、前日に比べ0.34%元安ドル高となる1ドル=6.5693元に設定した。基準値では2011年3月以来、約5年2カ月ぶりの元安だった。
市場では、「米利上げ観測への懸念から、元売りドル買いが進む相場に人民銀行が基準値で追随せざるを得なくなった」とみて、警戒感もくすぶる。年初に大幅な元安が海外で混乱を招いた経緯もあり、神経質な外為取引が続いている。
基準値引き下げを受け、25日の上海外国為替市場は一時1ドル=6.5658元と、2月5日以来、3カ月半ぶりの元安ドル高となった。ただ、「当局とみられるドル売り元買いの市場介入もあり、(元安の阻止という)人民銀行の為替政策には大きな変更はない」(市場関係者)との見方が広がり、元安は小幅にとどまった。
翌日の基準値を決める午後4時半(日本時間同5時半)段階の銀行間取引値は25日、1ドル=6.5620元となり前日比0.0053元の小幅安となった。
中国の実際の外為取引は人民銀行が決める基準値と必ずしもリンクせず、元の対ドル相場はなお年初来の安値を更新していない。ただ、市場で6月と噂される米利上げが現実味を帯びてくれば、中国からの資金流出リスクも高まり、人民銀行は今後、利下げを含む金融政策も迫られそうだ。
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