伊勢志摩サミット開幕 首脳宣言でG7版「三本の矢」打ち出す、中国やテロ対策も議論へ
中部空港に到着し、出迎えを受けるフランスのオランド大統領=26日午前(代表撮影)
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が26日、三重県で開幕した。初日は最大のテーマである世界経済について討議。各国が財政出動、構造改革などを総動員することで一致し、首脳宣言は「G7(先進7カ国)版三本の矢」を打ち出す見通しだ。中国が覇権主義的な行動を強める東シナ海・南シナ海問題やテロ対策も話し合う。議長として議論をリードする安倍晋三首相の指導力が問われる。
26日は午前に各国首脳が伊勢神宮(同県伊勢市)を訪問し、午後から世界経済をテーマに議論。経済成長の下振れリスクに対し、需要を喚起する財政出動や、中長期的な経済底上げを促す構造改革など、あらゆる政策を機動的に展開する必要性について、各国が認識を共有する。
タックスヘイブン(租税回避地)での金融取引をめぐる「パナマ文書」で関心が高まる国際的な課税逃れ対策や、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を含む貿易問題も焦点だ。
また、東シナ海・南シナ海を含む海洋安全保障問題では、国際法順守の徹底について議論。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)を含むテロ対策は、貧困対策や教育支援を通じた生活水準の向上に力点を置く。
27日にはベトナムやバングラデシュの首脳らも同席し、拡大会合を開く。2日間の討議後に安倍首相が記者会見し、成果をまとめた首脳宣言や議長総括を発表する。テロ対策や女性活躍などに関する6つの付属書もまとめる予定だ。
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