太陽光発電、開始遅い事業者に初の罰則 経産省方針、買い取り金額減らす

 

 経済産業省は7日、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)で、太陽光発電の発電を遅らせた事業者からの買い取り金額を減らす方針を示した。国の認定を受けて買い取り枠を押さえたまま設備の値下がりを待ち、不当なもうけを狙う業者に対し、罰則を科す初めての措置。電気料金に上乗せされる買い取り費用を抑え、国民負担を減らす狙いがある。

 早期に省令を改正し、8月以降に電力会社と電気を買い取る接続契約を結ぶ設備を対象とする方針だ。

 事業用太陽光では、発電開始が認定から3年遅れると、買い取り価格を認定時より年5%程度引き下げるか、定められた買い取り期間を短縮するかのどちらかの方式で減額する。

 電力会社との接続工事が遅れるなど発電事業者が原因ではない場合でも、猶予は認めない。今秋、買い取り価格などを決める調達価格等算定委員会で詳しい減額幅や方式などを決める。

 一方、住宅用は1年以内に発電を開始しない場合に認定を取り消す。下落した新しい買い取り価格で再認定を受けることになる。

 太陽光発電は買い取り価格が高値のうちに枠を押さえ、事業開始を遅らせる事例が目立っており、2012~15年度に認定した約185万件のうち15年度末時点で約62万件が未稼働だ。

 17年4月施行の改正再生エネ特別措置法では、迅速に事業を始める事業者のみを認定するよう制度を変更する。罰則規定を新たに設けることで改正法を補完し、未稼働案件の解消を目指す。