長期金利、日銀の軌道修正が意識され一時急上昇 黒田総裁は否定

 
麻生太郎財務相との会談後、記者の質問に答える日銀の黒田東彦総裁=2日午後、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)

 2日の東京債券市場は、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが一時、マイナス0.025%と約4カ月半ぶりの高水準に急上昇(価格は急落)した。日銀の金融緩和の“軌道修正”が意識されたためで、この日実施された10年債入札も応札倍率が下がるなど低調な結果となった。

 日銀は前週末の金融政策決定会合で、9月に金融緩和を総括的に検証すると打ち出した。債券市場の一部では、過度の低金利などの副作用に配慮し、国債購入枠やマイナス金利などを修正するのではないかとの警戒感が強まった。

 長期金利は会合が開かれた7月29日から上昇が続いており、28日終値(マイナス0.280%)に比べ、3営業日で最大0.255%も上昇したことになる。2日終値は前日比0.075%高いマイナス0.065%。

 相場が不安定な中、財務省が2日実施した10年債入札は応札倍率が3.16倍と前回(3.64倍)を下回った。入札が不調に終わったことで国債売りに拍車が掛かり、利回りのマイナス幅が一段と縮小する場面もあった。

 日銀の黒田東彦総裁はこの日、麻生太郎財務相との会談後に報道陣の取材に応じ、9月の決定会合で金融引き締めに転じるとの観測が広がっていることについて、「検証はあくまで2%の物価目標を早期に実現する観点から何が必要かを明らかにするため。そういったことにはならないと思う」と否定した。