黒田総裁「国債買い入れは増えることも減ることもある」 市場に緩和の限界観測の懸念も

日銀 金融緩和の枠組み変更

 日銀の黒田東彦総裁は21日の記者会見で、金融緩和の枠組みを「量」から「金利」へ修正したことについて「政策の持続性が高まる」と効果を強調した。物価上昇率が安定的に2%を超すまで金融緩和を継続するとも明言したが、市場からは金融緩和策の限界が意識される懸念もある。(藤原章裕)

 「イールドカーブ(国債の利回り曲線)の過度な平(へい)坦(たん)化は心理面で悪影響」

 日銀が今年2月にマイナス金利政策を導入して以降、黒田総裁はマイナス金利の効果のみをアピールし、強気一辺倒を貫いた。しかし、「総括的な検証」では金融機関への悪影響も詳しく解説。枠組み修正で長期や超長期の国債利回りを上昇させ、金融機関が利ざや(貸出金利と預金金利の差)を稼ぎやすくした。黒田総裁は「(こうした悪影響を)考慮したのは事実」と認めた。

 「イールドカーブ操作は十分できる」

 一般的に、短期金利は中央銀行の政策でコントロールできるが、長期金利はさまざまな要因で決まるので操作は難しいとされる。黒田総裁も「短期金利と同じようにコントロールできるとはいえない」との認識を示す一方、「リーマン・ショック後は長期国債購入で(貸出金利低下などの)効果が出た」と指摘した。

 「国債買い入れ額は増えることもあるし減ることもあるが、テーパリング(緩和縮小)ではない」

 日銀は今後、国債買い入れの量にはこだわらず、毎回の金融政策決定会合で目標金利に即して買い入れ量を上下させる。黒田総裁は緩和縮小との見方を否定したが、市場の反応は読み切れない。

 「外国為替の安定のための(外債)売買は財務大臣が一元的に所管している」

 金融緩和の手詰まりが意識される中、市場の一部では外国債券の買い入れが噂されていた。ただ、米国債を購入すれば円安ドル高を誘導できる利点がある半面、為替操作と受け取られかねない。黒田総裁は「日銀法上、日銀主導ではできない」との考えを示した。