日銀、物価2%目標時期を5回目の先送り 「2018年度ごろ」に、追加緩和は見送り
記者会見する日銀の黒田東彦総裁=1日午後、東京都中央区
日銀は1日、金融政策決定会合を開き、2%の物価上昇目標の達成時期を「2017年度中」から「18年度ごろ」に先送りした。消費不振で物価が低迷しているためで、延期は今年4月に続き5回目。黒田東彦総裁は18年4月までの任期中の実現を事実上、断念した。追加金融緩和は見送り、黒田氏は会合後の記者会見で、最近の物価の動きには弱さが見られるものの、上昇の方向性は崩れていないと説明した。
黒田氏は就任時に2%目標を2年程度で達成すると宣言したが「実現できなかったことは残念だ。デフレマインドを簡単に払拭できないのは事実」と述べた。国内景気の現状判断は「基調としては緩やかな回復を続けている」で据え置いた。
会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価上昇率の見通しは16年度マイナス0.1%、17年度1.5%、18年度1.7%とし、前回7月からそれぞれ0.2ポイントずつ引き下げた。17年度の実質国内総生産(GDP)の見通しは1.3%増を維持した。
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