トランプ砲を再チェック 「日本市場は閉鎖的」「為替操作国」… 誤解?混じりの危うい口先介入

日米首脳会談
安倍首相(右)、トランプ米大統領(ロイター)

 安倍晋三首相とトランプ米大統領は11日未明に初会談。これまでのトランプ大統領の発言を振り返ると、誤解が混じった“口先介入”で日本市場の「閉鎖性」や「円安誘導」を批判してきた。日本政府は今後も、米国への“貢献”をアピールする構えだが、理解を得られるか不透明だ。(田辺裕晶)

 「日本は米国車の販売を困難にしている。大きな船に何十万台もの車を載せてやってくる」

 トランプ氏は、日本車が米国で普及しているのに日本で米国車が売れないのは不公平だと批判する。実際、米国が2016年に輸入した日本車は金額ベースで392億6100万ドル(約4.4兆円)に上るが、日本に輸出した米国車は5億1800万ドルにとどまる。

 ただ、日本車の輸出額が大きいのは高級車の割合が多いためで、台数ベースでは、ピークの343万台(1986年)からほぼ半減。米販売の大半は現地生産車だ。

 日本は乗用車の関税を1978(昭和53)年に撤廃し、安全面などの規制も欧州との共通化が進んだ。米国車が日本で売れないのは、狭い道路事情にそぐわない大型車が多いため。一方、燃費の良い日本の小型車は米国で人気だ。

 さらに、国内の雇用創出を重視するトランプ氏は企業の海外移転を批判。トヨタ自動車のメキシコ新工場建設計画に対しても、「米国に工場をつくるか、巨額の関税を払うか」と二者択一を迫った。

 ただ、日本勢は過去15年で米国生産を149万台増やした。ビッグ3など米国勢は逆に361万台減らして海外に生産拠点を移している。トランプ氏が責めるべきはまず自国企業だ。

 また、トランプ氏は日本の為替政策を「通貨切り下げ」と批判するが、日本は東日本大震災に見舞われた平成23年以降、円を売ってドルを買う為替介入をしていない。

 一方、トランプ氏は日本の新幹線システムを評価する。日本政府は今後、日米の相互利益につながる経済連携の強化を進める。