
日米首脳会談で想定される経済分野の主な論点【拡大】
安倍晋三首相は11日未明(現地時間10日昼)、ホワイトハウスでトランプ大統領との初の首脳会談に臨む。出発に先立って、安倍首相は記者団に「日米の経済関係は今までも、これからもウィンウィンの関係としてともに発展をしていく。自由で公正なルールに基づく両国の関係をさらに発展させていくことを確認したい」と述べた。
日本政府は首脳会談で主要議題となる通商、為替政策をめぐり、トランプ米大統領が一段と圧力を強めてこないか警戒している。特に日米2国間の貿易交渉に引き込まれれば、自動車や農産品といった分野で大幅な譲歩を迫られ、国内産業に悪影響が及ぶ恐れがあると懸念している。通商分野では、トランプ氏が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を関係国に通告したため、新たな枠組みが論点になりそうだ。
米政権はTPP参加国と2国間で自由貿易協定(FTA)などを協議すれば、米国という巨大市場の魅力を盾に交渉を優位に進められると考えている。これに対し、日本はTPPのような日米や新興国を含む多国間による協定の方が互いの利益になるというのが基本的な立場だ。
日本政府はインフラ投資による米国での雇用創出と世界の貿易ルール作りで連携する「日米成長雇用イニシアチブ」を準備。関係閣僚で経済政策などを話し合う枠組みの提案も検討している。2国間協議を排除しないものの、個別分野に焦点が当たりすぎないようにしている。